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The Relocation of Futenma Air Base

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普天間移設

2011年05月19日

合意を再考し局面転換せよ

 米上院軍事委員会のレビン委員長ら国防政策・予算に影響力を持つ3議員が重い声明を発表した。米軍普天間飛行場をキャンプ・シュワブ(名護市辺野古)沖に移設するとした日米合意の現行計画について「非現実的」と厳しく批判。米軍嘉手納基地への統合を検討するよう要求した。

 日米合意は「県内移設」を拒否する地元沖縄の猛反対に加え、その実現可能性を米議会の重鎮に否定されたうえ、合意そのものの正当性にも強い疑問が投げ掛けられる事態に至った。

 にもかかわらず、日米両政府は「合意を着実に実施する」と、方針変更しない立場を強調している。こうした姿勢は到底、納得できない。

■米国防費に削減圧力■

 今のままでは何ら進展が望めず、危険な普天間飛行場の固定化につながってしまう懸念がある。日米両政府は現行計画に固執するのではなく、日米合意を見直す方向で再考してもらいたい。嘉手納統合案だけでなく沖縄側が求める県外移設、国外移設も選択肢として再検討し、局面転換を探るべきではないか。

 レビン氏が「逼迫(ひっぱく)する財政状況からも、日米合意の実現にかかるコストは負担できない」と指摘したように、声明の背景には厳しい米財政事情の下での国防費削減圧力がある。

 米議会は昨年、海兵隊の移転先となるグアムのインフラ整備などが計画通り進んでいないことを理由に、移転経費を圧縮。日本側の普天間移設作業が難航したこともあって、沖縄の海兵隊8千人などを2014年までにグアムに移すとした現行計画の期限内達成は事実上、不可能になっている。

■負担減れば入り口に■

 こうした事情を踏まえて、声明は「嘉手納基地への統合可能性を探るべきだ。嘉手納基地の空軍機能の一部をグアムや日本の本土側に分散させることも検討すべきだ」と具体的に提案している。

 嘉手納統合案はこれまで何度か浮上したが、今でさえひどい基地騒音被害がさらに拡大するため地元は反発。米側も、空軍の固定翼機と海兵隊のヘリコプター部隊が基地を共有すると、管制など運用上問題があるとして反対し、立ち消えになった経緯がある。

 今回の提案は嘉手納基地機能の一部移転を盛り込んだのが特徴。沖縄県の仲井真弘多知事は「統合は現実的かは疑義がある」としつつも「騒音などの負担が減るのであれば(議論の)入り口にはなる」と述べている。

 普天間移設の迷走は、「最低でも県外」(鳩山由紀夫前首相)と言いながら結局、自公政権当時の現行計画に回帰した民主党政権に責任がある。菅政権は東日本大震災や福島原発事故への対応で手いっぱいの状況だが、だからといって懸案の普天間移設を放置していいわけがない。政権の責任を自覚し、しっかり対応してほしい。







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