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Don’t Be Optimistic about Japanese-US Trade Talks Until the End

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安倍晋三首相とトランプ米大統領が主要7カ国(G7)首脳会議(ビアリッツ・サミット)に合わせてフランスで会談し、日米貿易交渉で基本合意した。農産品や工業品の関税などを巡る詰めの協議を急ぎ、9月下旬に予定する首脳会談での妥結を目指す。

環太平洋経済連携協定(TPP)から離脱した米国との間で、日本が新たな貿易協定を結ぶのは歓迎するが、その内容はまだ楽観できない。米国が課した制裁関税をすべて撤回し、輸出や為替の管理につながる措置を回避するため、最後まで万全を期すべきだ。

日米は昨年9月の首脳合意に基づき、2国間の貿易交渉を重ねてきた。基本合意の詳細は明らかにしていないが、農産品や工業品の貿易自由化が進み、双方の経済を底上げする効果に期待したい。

日本が輸入する牛肉や豚肉の関税を、TPPと同じ水準まで引き下げるのは、現実的な対応といえる。TPPからの離脱で輸出競争力の低下に悩む米国の畜産業界に対し、トランプ氏は一定の成果をアピールできる。安倍氏も日本国内の理解を得やすいだろう。

米国が輸入する自動車の関税撤廃を先送りするのは遺憾だ。日米は今回の貿易交渉とは別の枠組みで、今後も協議を続けるという。両国がTPPで合意していた「25年で撤廃」の実現を目標に、さらなる努力を重ねてほしい。

不透明なのは日本に対する制裁関税の扱いである。米国は国家の安全保障を理由に、日本などから輸入する鉄鋼とアルミニウムに高関税を課してきた。これを自動車にも適用するかどうかを検討中で、11月中旬までに結論を出す。

日米の貿易交渉が妥結すれば、一連の制裁関税をすべて撤回するのが当然だ。日本がその確約を得ているのかが定かではない。

米国が関心を寄せていた対米輸出の数量規制や、通貨安誘導を封じる為替条項の導入なども、日本は完全に回避できたのか。米国が自動車の高関税をちらつかせながら、管理貿易の手法を強要することがあってはならない。

トランプ氏は中国の習近平国家主席との首脳合意を何度も破棄し、米中の貿易戦争を悪化させてきた。日米の貿易交渉も、同じ憂き目にあわぬ保証はない。

安倍氏とトランプ氏が貿易協定に署名するまでに、詰めるべき点はなお多い。将来に禍根を残さぬよう細心の注意を払うべきだ。







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