Japan, America and South Korea Cannot Show Daylight Among Them in Opposing North Korea

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北朝鮮が日本海に向け2発の飛翔(ひしょう)体を発射した。板門店での3回目の米朝首脳会談から1カ月もたっていない。経済重視の国家戦略を掲げながら軍事に依存する金正恩委員長体制の体質はいまだ変わっておらず、日米韓は警戒を怠ってはならない。

短距離弾道ミサイルであれば国連安全保障理事会の決議違反となる。トランプ米大統領は前回5月の発射時に米国に届く長距離ミサイル以外は問題視しない考えを示したが、日韓を標的とする短・中距離ミサイルは日米同盟や米韓同盟にとって脅威だ。

北朝鮮メディアは最近、金正恩氏が新造された潜水艦を視察し、潜水艦が備える作戦能力と兵器システムの重要性を強調したと伝えた。探知されにくく、核の運搬手段にもなり得る潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を搭載可能な大型潜水艦とみられている。

いずれも金正恩氏が約束した「完全な非核化に向けた努力」に逆行する動きだ。8月の米韓合同軍事演習を前に米国を揺さぶる狙いがみえるが、核戦力が増強されている実態は受け入れられない。日本は国際社会と協力して北朝鮮への制裁を続ける必要がある。

同時に、対話による解決のための非核化交渉が大事なのは言うまでもない。米朝による実務協議の早期再開が待ち望まれる。その際、米国は安易な妥協を戒め、北朝鮮が核放棄への明確な道筋を示すことが交渉進展の条件だとする姿勢を堅持してもらいたい。

地域の安全保障を揺さぶる事案が相次いで起きている。中国とロシアの軍用機が島根県の竹島(韓国名・独島)周辺の上空に相次いで侵入した。元徴用工判決と対韓輸出規制をめぐり亀裂を深める日韓と、その同盟国である米国の反応を試したとの見方がある。

ボルトン米大統領補佐官は日韓両国を歴訪し、日米韓の協力を確認するとともに日韓問題の外交解決に期待を示した。安全保障の現場で高まる緊張を前に日米韓は隙を見せてはいけない。

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