Japan and America: Seeking Long-Term Relationship

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社説:日米首脳会談 「長い付き合い」着実に

 鳩山由紀夫首相とオバマ米大統領の初会談で、両首脳は日米同盟を維持・強化していくことで一致した。双方とも個別の懸案事項への言及を避け協調ムードづくりを先行させた形だが、首相にとっては順調な対米外交のスタートと言えるだろう。

 首脳会談前、クリントン米国務長官が記者団に「政策変更はあらゆる政府の権利」と述べたことがある。

 そうはいっても米政府は、鳩山民主党が先の衆院選で日米地位協定改定の提起や在日米軍基地の見直しなどを打ち出したことに戸惑いを感じているようだ。首相がアジアでの経済・安全保障の枠組みづくりを目指す東アジア共同体構想を提案していることもあり、一部では「首相は反米的なのではないか」との見方も出ていた。

 しかし、首脳会談で米側のそうした不安はある程度解消されたのではないだろうか。「日米同盟が20世紀後半に強固だったように、21世紀にもっと強化し新たにするチャンスだ」(大統領)、「日米同盟がこれからも日本の安全保障の基軸になる。いかに深化させていくかが大事だ」(首相)。日米の新しいトップ同士がこうした考えを直接述べ合ったことに今回会談の意義があった。

 もちろん、日米間には考え方の違いから調整を迫られている課題もある。来年1月に期限切れを迎えるインド洋での海上自衛隊による給油活動を打ち切った場合の代替策をどうするか。日本は実行可能で効果的な支援策の具体化を急ぐ必要がある。

 両政府が沖縄県名護市のキャンプ・シュワブ沿岸部への移設で合意している米軍普天間飛行場問題も難題だ。日本の連立政権合意では「見直しの方向で臨む」としているが、米側は「現行計画の実現が基本で重要だ」(クリントン長官)とクギを刺している。

 いずれの課題も11月のオバマ大統領訪日までに一定の方向性は固めておく必要があるだろう。

 相違点ばかりではない。首相が意欲的な温室効果ガス削減目標を表明した気候変動問題や、大統領が国連演説で「米国だけの努力ではありえない」と述べた「核なき世界」への挑戦など地球規模の課題では日米が連携を強化しリード役になるべきだ。

 米国にすれば、戦後日本が国際社会に復帰してからほぼ一貫して続いてきた自民党政権に比べ鳩山新政権に不安を感じる面があるかもしれない。しかし、ともに「変化」を掲げて政権交代を果たした首相と大統領だ。会談で大統領は「今日から長い付き合いになる。その中で一つ一つ解決していこう」と語りかけた。両首脳はその調子で日米関係の再構築に臨んでほしい。

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