Japan-America Relations as a Standard

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東アジア外交 日米連携を基本に推進せよ(7月26日付・読売社説)

 東アジアの地域協力を進める枠組みである「東アジア首脳会議」(EAS)に、米国とロシアが来年から参加する見通しとなった。

 中国が経済的にも軍事的にも台頭する中、東アジアの平和と繁栄を保つには米国のプレゼンス(存在)を高めることが望ましい。それは日本の国益にも合致する。

 政府は、この地域の経済、外交、安全保障全般にわたって米国との連携を深めるべきだ。

 ベトナムで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)外相会議は、米露両国のEAS参加を歓迎した。10月のASEAN首脳会議でこれを決定する運びだ。

 2005年に創設されたEASは、ASEAN10か国と日本、中国、韓国、インド、豪州、ニュージーランドで構成される。

 創設時から参加を希望していたロシアに対し、米国は当初、中国が米国排除の動きをみせたこともあって、EASに距離を置いていた。ASEAN諸国にも、大国が加われば自分たちが埋没しかねない、との慎重論があった。

 それが、ここにきてASEAN内に米国参加論が高まり、オバマ米政権も前向きな姿勢を示して、一気に具体化した。

 域内の経済連携を進めるうえで中国と肩を並べる輸出相手の米国の「不在」はむしろ不自然、との判断があったとみられる。

 それ以上に米国の参加を促したのが、安全保障の側面である。

 ベトナムやシンガポール、インドなどは、中国の海軍力増強の動きに警戒感を高めている。中国は南シナ海の海南島に潜水艦基地を建設し、インド洋では、パキスタンやミャンマーで港湾施設を設けるなどしている。

 米国が従来の慎重姿勢を一転させ、EASに参加することにしたのも、中国の軍事的な影響力拡大をにらんだものだろう。

 日本にとっても、同盟国の米国が東アジアへの関与を強めることは歓迎できる。海上交通路(シーレーン)の安全確保や防災協力など、さまざまな分野で米国との連携による活動が可能になる。

 しかし、鳩山前首相は「東アジア共同体」を唱える一方、「今まで米国に依存し過ぎていた」などと発言した。日米の同盟関係が不安定になるのでは、との印象を広め、米国だけでなく、アジア諸国にも不安を抱かせた。

 菅首相は、米国のEAS参加を契機として、日米同盟を基軸に東アジア各国との関係をいっそう深めていく必要がある。

(2010年7月26日09時01分 読売新聞)

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