International Support Is Needed in Conquering the Nuclear Power Plant Crisis

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Posted on April 7, 2011.

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原発国際支援 国を越えて危機克服を

福島第一原発の事故に対し、各国から支援申し出が相次いでいる。先進国も途上国もこぞって原子力エネルギー依存を強めるいま、放射能漏れに苦しむ「フクシマ」を座視できないからだ。

 津波によって四基の原発に深刻な事故が起きたが、復旧は進まない。最大の支援国は米国だ。エネルギー省などの専門家四十人が来日し、日本側と放射能漏れを止める方策を練っている。

 米政府は汚染された原発施設内でも、遠隔操作によって活動できるロボットを日本に送った。施設内の様子を撮影でき放射線量を測定できれば、復旧作業の助けになろう。既に東京電力に引き渡された日本製ロボットとともに、早く現場に投入されるよう期待する。米軍の放射能被害管理の専門部隊約百四十人も近く派遣する。

 原発大国フランスの動きも活発だ。サルコジ大統領が訪問先の中国から三十一日に来日し、菅直人首相に全面的な支援を約束した。福島第一原発で使用する混合酸化物(MOX)燃料を加工したアレバ社からは、最高経営責任者(CEO)と専門家五人が来日した。放射性物質による汚染水の処理について技術を持つという。

 米国は一九七九年、スリーマイル島の原発事故を経験した。フランスなど欧州諸国は八六年の旧ソ連チェルノブイリ原発事故によって、大気と土壌が長期間、放射能で汚染された。

 原子力発電には国家の重要機密にかかわる部分もあるが、もはや日本側だけでは対応できないのが現実のようだ。米仏の技術に頼っても、打開策を見つけるべきだ。

 米国は地震と津波被害についても、「トモダチ」という作戦名をつけて米軍の艦船や輸送機を出動させている。オバマ政権には今回の救援活動を日米関係修復につなげたいという思いはあろうが、いまは事態沈静化に向けて、知恵を絞り協力し合うときだ。

 アジアの隣国からの支援もある。中国の建設機械会社は原子炉への放水に応用できる高さ六十二メートルの生コン圧送機を送り、近く福島の現場で活動を始める。韓国は中性子を吸収するホウ酸を提供すると伝えてきた。

 原発の安全は一国の利害を越えた地球全体の課題になった。日本の景気後退が長期化すれば、欧米も中韓も深刻な影響を受ける。

 この国際協力を弾みにして、福島第一原発の危機克服に何としても道を開きたい。

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