The Deployment of V-22 Osprey Is a Human Rights Issue

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開発段階で墜落事故が頻発し、飛行の安全性に不安がある垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの沖縄配備を米政府はいよいよ正式に伝達してくる。日米両政府はそこに県民の生活があることを無視できるのだろうか。

 ゲーツ国防長官が6月初旬にシンガポールで予定する北沢俊美防衛相との会談で、米軍普天間飛行場に来年配備する方針を伝えるという。

 米軍にとっては単なる機種変更、との気持ちがあるかもしれない。しかしこの決定は沖縄と日米両政府との信頼の糸を断ち切る事になりかねない。

 なぜなら、両政府が「危険性」を認めた飛行場でいまも日常的に軍用機が飛び交うことさえ、非人道的だからだ。危険性を認知しながら放置するだけでなく、安全性に疑問がある軍用機を配備する両政府の冷徹さは理解を超える。

 事故は必ず起きる。どれほど人知を尽くして防波堤を築こうが、いつか予期せぬ落とし穴にはまる。

 東日本大震災で原子力発電所の「安全神話」は崩壊し、菅政権は静岡県の浜岡原発の原子炉を止めさせた。危険な普天間で日常的に軍用機を飛ばしているのは人命への差別ではないか。

 日米両政府は普天間の名護市辺野古移設が「非現実的」(レビン米上院軍事委員長)であっても、「普天間を継続使用する」(ウィラード米太平洋軍司令官)つもりだ。

 宜野湾市の住宅地をオスプレイが旋回し、普天間に着陸していく光景を想像するだけでいたたまれない。

 沖縄だけでなく、米本国、ハワイにある海兵隊航空基地で同様に配備計画があるが、米政府は自国では配備前の環境影響評価を実施した。

 カリフォルニアなど西海岸への配備に伴う評価の最終報告書によると、エンジンの種類がプロペラ輸送機と同じオスプレイの騒音は、飛行中はヘリコプターよりも低レベルだが、着陸時に騒音最高値がヘリを上回ると評価する。

 報告書で指摘するのは主に自然への影響だ。野生動物が神経質になる繁殖期に騒音は最も有害であることや「ヘリが100メートル圏内に入るとフクロウは巣から逃げた」との論文を随所に引用する。

 オスプレイを使った訓練は、河岸、湖岸、春に出現する水たまりなど環境変化に敏感な生息域を十分に考慮することを義務づけ、環境マップで示された立ち入り禁止区域を避けるよう指示する。

 沖縄とは基地周辺の環境が違いすぎる。

 繁殖期に気を配り、春季の池さえ保護する米軍と、住宅や学校、病院上空で容赦なく爆音をまき散らす在沖米軍が同じ集団とは信じがたい。

 政府の「負担軽減」という言葉が詐欺にさえ聞こえる。

 沖縄での基地運用がいかに「非人道的」であるかを再確認するとき、人としての尊厳さえも傷つけられたような深い悲しみを覚える。

 オスプレイの普天間配備を正式に伝達するとき、米軍のダブルスタンダード(二重基準)が際だつだろう。

 これは人権問題だ。

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