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ポトマック通信 肥満防止へ給食改革
「軽食みたいなものばかり。野菜も少ないし、食欲がわかないわ」
娘が米国に来て間もないころ、学校で出される給食に驚いていた。わが子に健康に育ってほしいと思う親としては、お昼を抜くなどもってのほかと、手製の弁当を持たせている。
これも文化の違いと思っていたら、米国にも給食事情に危機感を抱く関係者は少なからずいたことを知った。米政府が1月、15年ぶりに学校給食のメニューを見直すと発表したのだ。
給食改革を強く後押ししたのは、肥満対策に取り組んでいるミシェル・オバマ米大統領夫人。肥満防止は子供のころからの食習慣が肝心というわけで、政府によると、野菜や果物を毎日出し、通常の小麦粉より栄養価の高い全粒粉を使ったパンも取り入れるとか。ビルサック農務長官は「子供の健康な未来につながる重要な第一歩だ」と強調している。
ただ、この給食改革、物議もかもしている。冷凍食品業者などが「食材にコストがかかり、納税者の負担が増す」と反発。業界の圧力のせいか、トマトソースを使ったピザも「野菜」とみなされるなど、首をかしげたくなる点も多い。
ともあれ、千里の道も一歩からという。肥満大国返上へ、改革がいつか実を結ぶことを期待したい。(柿内公輔)
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