Japan-US Foreign Minister’s Meeting: Do Not Be Soft on North Korean Recklessness

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訪米した玄葉光一郎外相はクリントン米国務長官との外相会談で、北朝鮮が「人工衛星」と称する長距離弾道ミサイル発射を強行した場合には、「明白な国連安保理決議違反」として安保理への提起を含め、厳しく対処する方針で一致した。

主要国(G8)外相会合へ向けて日米が北への包囲網強化に足並みをそろえたのに加え、10日に東京で開かれた日英首脳会談でも、野田佳彦首相とキャメロン英首相が「安保理で強力に対応する」ことで一致した。これを評価したい。

 北はミサイルへの燃料注入を認めるなどあくまで発射を強行する構えだが、明白な違反に国際社会が新たな制裁強化など実効ある罰を与えるのは当然だ。ミサイル発射で最大の脅威を受ける日本は米英や韓国などと連携し、断固たる措置を実現させる必要がある。

北は12~16日に発射を予告している。政府は万一に備えて沖縄県などにミサイル防衛システムを配備したほか、11日には首相官邸に対策室を設置し、万全の準備を進めた。ミサイル防衛の指揮は先月新設された日米の共同統合運用調整所が初めて担う。日米連携の真価が問われるときだ。

 日米外相は、6カ国協議の中韓露とも連携して直前まで中止を求める一方、発射を強行すれば「安保理を含めた適切な対応」を強調した。制裁強化を含む新決議採択も念頭に置いて、北を強く牽制(けんせい)したのは当然といえる。

とりわけ今月は米国が安保理議長国(輪番制)だ。オバマ政権が昨年秋に「アジア太平洋シフト」戦略を打ち出して以降、初のミサイル危機でもあり、北への対処はその重要な試金石となる。

気がかりなのは、発射強行に新たな安保理決議で応じた場合、北が「報復」として3度目の核実験に進む構えを見せていることだ。米側にはオバマ大統領再選への悪影響や米朝対話の途絶を懸念する意見も見え隠れしている。

 だが、公然たる安保理決議違反を放置すれば、核実験をとがめる根拠も崩壊しよう。イランなどの核・ミサイル開発の歯止めも失われ、安保理は無力化する。中露への説得など思いもよるまい。

日米両国はこうした点もきちんと認識した上で、北の暴挙を一歩たりともエスカレートさせないための明確な措置を示し、国際社会をリードする責務がある。

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