Google’s Responsibility as a Search Engine Giant

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検索最大手グーグルの責務

 米グーグルの検索機能が個人のプライバシーを侵害したとして、東京地裁が米本社に対し表示差し止めと30万円の損害賠償を命じる判決を下した。グーグルはこの件で昨年3月にも表示差し止めの仮処分を受けている。検索最大手としての責務を果たしてほしい。

 プライバシー侵害が指摘されたのは「オートコンプリート」と呼ばれる検索支援機能だ。キーワードを入力すると関連性の高い言葉を一緒に表示し、サジェスト機能とも呼ばれている。原告側によると、自分の名前を入れると犯罪を思わせる言葉が表示され、職を失うなどの被害にあったという。

 東京地裁は職を失ったこととの因果関係までは認めなかったが、検索支援が個人の名誉を毀損するサイトに導いている点を重くみて、慰謝料の支払いを命じた。

 だが問題は、日本の裁判所が米企業にどこまで判決の効力を及ぼせるかだ。原告側は当初、日本法人を訴えようとしたが、サーバーが米国にあることから本社を相手取らざるをえなかった。これに対しグーグルは、検索支援は利用者の検索履歴をもとに機械的に行っており、恣意性はないという。

 もうひとつの論点はネット上で個人のプライバシーをどう守るかだ。政治家や芸能人の名前を検索すると、否定的な言葉が同様に表示される。それらをすべて削除するよう事業者に求めれば、表現の自由との兼ね合いが問われる。

 そもそも日本では検索というネットの重要なツールを米企業に依存している状況にも問題がある。韓国では「ネイバー」、中国では「百度」といった自国の検索サービスが広く使われている。国内企業であれば、今回の件でも仮処分の段階で執行できたはずだ。

 今後、グーグルが控訴すれば、救済は先送りされる。判決の効力を求めるには米国の裁判所の承認も必要だ。望ましいのはグーグルが事業者としての責任を自覚し、自ら救済策を打ち出すことだろう。日本政府もグーグルに対しそうした呼びかけをしてほしい。

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