Osprey Training Flights: Hashimoto Proposal Is Catalyst To Locate Suitable Sites

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オスプレイの訓練地 橋下案契機に適地探しを

米軍新型輸送機「オスプレイ」の訓練の一部を、大阪府八尾市の八尾空港で受け入れる とした日本維新の会の橋下徹共同代表(大阪市長)らの提案は、沖縄の基地負担軽減を実現していく上で意義はある。八尾空港は市街地の中にあり、地元の賛同を得るのは容易ではなかろうが、オスプレイの訓練を引き受ける候補地探しを全国規模で行うきっかけにできるのではないか。

 沖縄の負担軽減は常に総論賛成、各論反対になりがちだ。八尾空港の地元でも、既に橋 下共同代表案への反発が広がっており、田中誠太八尾市長も「危険性が高い」と反対の意向を示している。たとえ地元が賛成したとしても、米軍が訓練の適地と考えるのかどうかも不明である。

 オスプレイの訓練を本気で分散実施させたいと思うなら、政府主導の下で米軍と防衛省 がすり合わせを行い、候補地をできれば複数定めて自治体に提案する手順を踏んではどうか。地元との話し合い次第で、訓練の分散が可能になるかもしれない。空港を抱える自治体側から訓練候補地に手を挙げるケースはまず考えられないのだから、訓練地として最適な場所を政府が示す必要がある。

 オスプレイは運転が難しいこともあって、開発段階で事故が多発し、「未亡人製造機」 と呼ばれた。だが、その後、改良を重ねて安全性が向上し、10万飛行時間当たりの重大事故発生率は1・93件と、海兵隊航空機の平均の2・45件よりも低い。現在も使われている旧式のCH46輸送ヘリなどより、安全性は高いと言ってよい。

 現にニューヨークやロンドン上空を日常的に飛行し、航空ショーでは数万人の観衆が見 守るなか、デモ飛行を披露している。老朽化したヘリを今後も使い続けることの方が安全上問題であり、オスプレイの危険性だけを指摘するのは理解に苦しむ。

 オスプレイは、40年以上使用されているCH46輸送ヘリに比べ速度が2倍、積載重 量が3倍、航続距離は5・5倍に達する。沖縄などへの配備が米軍の即応力強化に役立っているのは間違いない。

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