Japan-US-Korea Summit Meeting: Hasten Dialogue between the Two Countries

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【日米韓首脳会談】早く2国間での対話へ

2014年03月27日08時18分

 オバマ米大統領という「仲人」を挟んで、日本と韓国の首脳会談がやっと実現した。

 歴史認識など日韓の微妙な問題には触れなかったものの、トップ同士の対話が途絶えたままでは関係改善の糸口はつかめない。北朝鮮政策で一致した今回の会談を、日韓の2国間対話や関係正常化への突破口としたい。

 日韓関係は2年前に李前大統領が竹島に上陸して急激に悪化した。昨年末には安倍首相が靖国神社を参拝し、韓国側は強く反発した。関係改善の光が全く見えない状況だ。

 日米韓会談の実現には、オバマ氏の日韓訪問が来月に迫り、両国の対立を和らげておきたいとの米国の意向が働いた。歴史認識を議題にしなかったことも実現の大きな要素となった。

 安倍首相は会談後、「未来志向の日韓関係に発展させる第一歩にしたい」と述べた。歴史、経済的につながりが深い日韓関係が冷え込んだままでは互いの国民にとって大きな損失だ。若い世代のためにも、安倍首相の言う「未来志向」を目標にしてほしい。

 しかし、歴史認識を議題から外したため会談が実現したことを考えると、目標達成は言うほど簡単ではない。

 会談前、安倍首相は従軍慰安婦問題での河野官房長官談話を見直さないと表明し、韓国側の歩み寄りに結び付いた。ところがその後、首相側近から、河野談話の検証後に「新談話」を検討すべきとの発言が飛び出した。

 歴史認識で日韓国内には、さまざまな意見がある。冷静に対応するには国民同士の信頼が基本になる。首相の発言後に、政権中枢から別の考えが出るようでは、深い信頼関係は築けない。

 日米韓首脳会談は北朝鮮政策で連携を強めることを確認し、予想通りの結論となった。会談に合わせたように北朝鮮は、中距離弾道ミサイルを日本海へ発射したが、安全保障面で日米韓が密接な関係を示せた意味は大きい。

 また3カ国は、北朝鮮の核をめぐる6カ国協議の代表者会合を開くことも協議した。核放棄で北朝鮮を説得するには中国の役割が重要だ。日本は率先して中国への働き掛けを強めたい。

 歴史認識では中国も韓国同様に日本批判を続けている。北朝鮮政策のように日中韓が足並みをそろえなければならない懸案は多い。共通した課題を出発点に日韓、日中の2国間の関係改善を模索すべきだ。

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