Use Gubernatorial Authority To Halt the Block Operations

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<社説>ブロック再投入 知事権限で作業止めよ

2015年3月8日

 米軍普天間飛行場の移設に伴う新基地建設で、沖縄防衛局は新たに大型コンクリートブロック2個を海底に沈めた。

 岩礁破砕許可区域外に投入したブロックがサンゴ礁を傷つけている問題で、翁長雄志知事がブロック設置作業の停止などを指示したのに、それを一顧だにすることなく再び沈めた。県民を代表する知事を侮辱し、誠実さのかけらもない行為と言わざるを得ない。

 県は、辺野古埋め立て承認に関する第三者委員会が検証を終えるまで作業を中断するよう求めたが、国はそれも無視した。埋め立て工事計画の実施設計に関する県との事前協議でも、国は工事中止に応じない姿勢だ。

 米国のための新基地建設には民意を踏みにじり、環境破壊もいとわない国との間で話し合う余地はもうない。翁長知事は即刻、岩礁破砕許可を取り消し、作業を止めるべきだ。

 10~45トンもあろうコンクリートブロックを沈めれば、サンゴ礁をはじめ環境に大きな影響を与えることは容易に想像できる。

 新たにブロックを沈めた場所は、岩礁破砕許可区域の境界付近だ。国は「区域内」と主張するが、線が引かれているわけではない。

 いずれにしてもサンゴ礁破壊を懸念する県側が区域外で作業停止を指示し、区域内でも調査する意向を示す中で乱暴なやり方だ。

 「丁寧に理解を得ながら進める」。安倍首相は事あるごとに繰り返してきたが、これが丁寧な物事の進め方なのか。

 新たなブロックの設置は近く再開予定のボーリング調査に伴うもので、調査の際に展開する浮具(フロート)などを固定するためのものとみられる。ボーリング調査は水深の深い12カ所がまだ残っており、国はさらにブロックを沈める可能性がある。

 「丁寧に理解を得ながら」と言うならば、国は県の要請を受け入れ、作業を中断するのが筋だ。いったん前知事から岩礁破砕許可を得たからといって強引に作業を進めても、決して新基地建設を許さないという民意は揺るがない。

 国は県の要請を無視し、作業強行の姿勢を鮮明にしている。これ以上のブロック投入やボーリング調査の再開を許してはならない。翁長知事には速やかに知事権限を行使してもらいたい。決断の時だ。

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