The Iran Nuclear Issue: Capitalize and Close the Deal

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イラン核問題 好機生かし最終合意を

2015年4月4日

 イランの核問題をめぐる多国間協議で、解決に向けた「枠組み」で合意した。核開発に歯止めをかける、意味のある前進と言える。中東の安定のため、イラン、欧米とも最終合意を目指すべきだ。

 イランと、国連安全保障理事会の五常任理事国にドイツを加えた六カ国の外相らがスイスで協議を重ねた。

 枠組み合意によると、イランは今後十~十五年、核開発計画を大幅に制限する。濃縮ウランが製造できる遠心分離機の設置数を現在の三分の一まで減らすとともに、濃縮施設は一カ所だけとし、残る二カ所の核施設は活動内容を変更する。さらに国際原子力機関(IAEA)がすべての核関連施設に定期的に立ち入ることを認める。

 これに対し、米国と欧州連合(EU)はイランが合意をすべて履行すれば制裁を解除する。逆に違反があれば、直ちに制裁を復活するという二段構えで臨む。

 イランが合意通り実行すれば、核開発は大幅に遅れ、欧米から見れば当面の核危機を回避できる。ロシア、中国も「マラソン交渉」で米国と足並みをそろえ、国際社会の連携を示した。

 イランにとっても石油、天然ガス資源を活用して経済再生を図るには、核開発を抑制して制裁解除を目指す必要があった。国民の間には、これから経済がよくなると期待が膨らんでいるという。

 最終的な合意の期限は六月三十日だが、IAEAの査察の権限がはっきりしないなど、難問は依然残る。

 それでも、今はこれまでにない好機である。欧米は軍事力ではなく、外交による解決を選んだ。イランのロウハニ大統領は米国との対話路線にかじを切った。今回は北朝鮮のケースとは異なり、核拡散防止条約(NPT)体制の中での、国際社会による合意である。イラン、欧米とも最終合意まで着実に進むよう望みたい。

 欧米は当初、イランに核開発そのものを断念するよう要求したが、エネルギーなど平和利用は認めると方針を変えた。共和党が多数を占める米議会では、制裁を強化して核断念に追い込むべきだとの強硬論が根強い。

 枠組み合意では、イランは保有する核施設の閉鎖を要求されなかった。軍事転用の抜け穴になるとの懸念は消えず、イスラエルは合意を強く批判する。オバマ政権が国内、さらに同盟国をどう説得するかも焦点になる。

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