To Make an ‘Area’ of Japanese-American ANPO Cooperation

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日米の安保協力を「面」に

 世界の成長センターであるアジア太平洋では、安定を揺るがしかねない火種があちこちでくすぶっている。日米は安全保障協力を「線」から「面」に広げ、他国と一緒になってこの地域の秩序を支えることが大切だ。

 安倍晋三首相とオバマ米大統領による会談は、そうした努力を急がなければならない現実を改めて印象づけた。話し合われた懸案の多くが、日米両国だけでは解決できない問題だったからだ。

 会談では、国家や企業の情報を盗むサイバースパイや、大規模テロへの対策が取り上げられた。日本では来年に主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)、2020年には東京五輪・パラリンピックが控える。米国だけでなく、世界各国との協力が欠かせない。

 もうひとつの課題が、中国が南シナ海を埋め立て、人工島をつくっていることへの対応だ。それらが自分の領土であるかのように中国が振る舞い、軍事化を進めれば、各国の「航行の自由」は大きく制限されかねない。

 オバマ大統領は会談で、人工島を中国の領土と認めない姿勢を鮮明にするため、12カイリ(約22キロメートル)以内に米軍艦船を送り続けると言明した。安倍首相も「日本の安全保障に与える影響」を踏まえ、自衛隊による南シナ海での活動を検討すると伝えた。

 南シナ海は重要なシーレーン(海上交通路)であり、安定を保つため、日本としても一定の役割を果たすべきだ。

 現状でも、警戒や訓練のために自衛隊を送ることは不可能ではない。ただ、いくら頑張っても、米国や日本だけで中国の強硬な行動を抑えるには限界があるだろう。そこで肝心なのは日米が南シナ海の周辺国と密に連携し、みなで中国に自制を迫れるような体制をつくり上げることだ。

 自衛隊はフィリピンと共同訓練をしたほか、ベトナムとも実施で合意した。各国が海上警備力を底上げできるよう、装備面の支援も日米が協力して広げたい。

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