At the End of an Administration, Important to Remain Committed to US-Japan Unity

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こんなときこそ、安倍首相は今週、最優先でオバマ米大統領と会談し、日米の連携を深めるべきだった。だが、バイデン副大統領に加えて、米民主党のクリントン大統領候補と会談したものの、オバマ氏とは立ち話にとどまった。

 これに対し、同時期にニューヨークを訪れた李克強・中国首相はオバマ氏と会談し、北朝鮮問題などを話し合っている。

 日米の首脳会談は9月前半、中国やラオスで開かれた国際会議の際にも開かれていない。米政権の交代期に「権力の空白」が生まれ、アジアの危機が広がる事態を防ぐため、安倍政権には日米同盟をしっかり管理する責任がある。

 こうしたなか、日米韓の外相が今週、ニューヨークで集まり、対北制裁の強化をうたった共同声明を出したのはよかった。それでも、北朝鮮の後ろ盾である中国を動かし、強い制裁を実現するには首脳間の連携が欠かせない。

 安倍氏とバイデン氏との会談では、12月のプーチン・ロシア大統領の来日も話題になった。ウクライナ問題でロシアと鋭く対立する米政権は、安倍政権の対ロ接近に警戒感を抱いている。

 日米に亀裂が生まれれば、北朝鮮包囲網は揺らぎ、中国も海洋で強気な行動に出やすくなる。プーチン氏来日に向けて、米側との意思疎通を密にしてほしい。

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