US-South Korea Talks: Is Everyone on the Same Page about ‘the North’?

<--

米韓首脳会談 「対北」足並みそろったか

米国のトランプ大統領と韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領がワシントンで初の首脳会談を行った。両首脳は核・ミサイル開発を続ける北朝鮮をにらみ、米韓の同盟関係を強化する方針を確認した。

 北朝鮮への対応を巡っては、文大統領の就任以降、米韓の足並みの乱れが指摘されてきた。

 革新系の大統領である文氏は、もともと北朝鮮に融和的なスタンスで、対話による非核化に積極的だ。大統領選では、米国が朴槿恵(パククネ)前政権時代に韓国へ配備を決めた「高高度防衛ミサイル(THAAD)」に批判的だった経緯もある。このため、トランプ政権は文氏への警戒感を強めていた。

 文氏は訪米中、THAAD配備撤回はしないと表明するなど、米国側の不信解消に努めた。「核問題を解決できれば偉大な大統領になれる」とトランプ氏を持ち上げ、首脳間の信頼構築も図った。会談では両首脳がひとまず、結束をアピールしてみせた格好だ。

 ただ、大枠では合意したものの、両国の溝が埋まったと判断するのはまだ早い。核放棄に向けたアプローチについて、両首脳の姿勢には大きな差異があるからだ。

 文氏は北朝鮮が核やミサイル実験を凍結すれば対話の開始は可能との考え方だ。凍結が交渉の入り口で、核放棄が出口という2段階の解決策を想定している。

 一方トランプ氏は、凍結段階での交渉開始に否定的だ。軍事行動の可能性をちらつかせ、中国に制裁履行を促すなど、当面は北朝鮮への徹底的な圧力強化を図る。

 こうした食い違いを残したままでは、関係国の北朝鮮への対応にほころびが生じ、圧力の効果も上がらないだろう。

 今回の会談では今月上旬にドイツで開かれる20カ国・地域(G20)首脳会合に合わせて、米韓に日本を加えた3カ国の首脳会談を実施することも決まった。こうした場で、日米韓が戦略を擦り合わせ、3カ国の適切な役割分担によって、北朝鮮の非核化に向けたプロセスを組み立てる必要がある。

About this publication