America’s Anti-Trump Democrats Are Scattered

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アイオワ州で指名争いが始まる10日前は想像もしない展開になった。豊富な実績で本命視されたバイデン前副大統領が下位に沈む一方、38歳の新星ブティジェッジ氏と78歳の闘士サンダース氏が序盤2戦で激戦の末に勝利を分け合った。

11月の米大統領選挙で共和党のトランプ大統領と対決する米民主党の指名候補争い。先例に従えば今回のニューハンプシャー州予備選挙までに一定の絞り込みが起きる例が多い。実際には混戦の度合いが深まった。

11日、ニューハンプシャー州ナシュア市の投票所。市内に住むエリーゼ・ローゼンさん(64)は「左派と中道の男女4人の候補を真剣に見比べて悩み、3時間前にブティジェッジ氏に決めた」と話す。「人権を守り真実を追求してくれる。地球温暖化に真剣に向き合う候補だと思った」。混戦にはこうした有権者の迷いがにじみ出ている。

本選への挑戦者を選ぶ民主の予備選は3月3日に14州で集中実施する「スーパーチューズデー」に向け、競り合いが激しくなる。その中で起きているのは民意の2つの「散らばり」だ。

ひとつは急進左派と中道勢力の価値観の開きだ。投票前日の10日。若者世代からの支持が厚いサンダース氏の選挙集会は有名ロックバンドを招いた一大ショーと化した。サンダース氏が学生ローンの債務棒引きや巨額の財源を要する国民皆保険の公約に言及するたびに会場内は大歓声のうねりに包まれる。トランプ大統領の選挙集会と似た聴衆の熱狂を感じる。

左派のブレない候補が若者世代の「怒り」に働きかける政策を前面に出し、中道派は共和党や無党派層に協調を呼び掛ける。差は拡大する一方だ。候補者を一本化しても民主党の結束が保てるのか、疑問が浮かぶ。

もう一つ、中道候補の間で起きている支持の分散がある。

ブティジェッジ氏、サンダース氏の競り合いに割り込んだのが中道の女性候補、クロブシャー氏だ。投票に来た多くの人が7日のテレビ討論会で堂々と弁論を発揮したシーンで支持を決めたと話した。人間的な包容力や上院議員としての実績から「穏健な候補」としての評価を上げた。

3月の予備選集中日にかける大富豪のブルームバーグ氏にも安定感に期待する支持がじわじわ集まっている。「投票用紙にブルームバーグ氏の名前がないので他の候補に入れた」。こんな複数の声を聞いた。

「ネバダとサウスカロライナで勝つ」。投票日の午後、黒人票の地盤がある南部サウスカロライナ州に移動し、次回以降に必勝を期するバイデン氏。苦戦する左派のウォーレン氏も「戦いはこれから」と支持者に呼び掛ける。

「現職大統領として最高の得票をした。でかい話ではないのか?」トランプ大統領は高みの見物を決め込むかのように、民主党と並行して実施した共和党予備選での高得票率をツイッターで誇示した。

「打倒トランプ」では一致するが、候補同士の理念や政策の道筋は折り合わない。激戦続きで注目は集めても、本選で勝てる候補の絞り込みは遅れる。米民主党は悩ましい立場にある。

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