Suga-Biden Phone Conference: Toward Building a New Relationship

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菅・バイデン会談 新しい関係を築きたい

菅義偉首相が米民主党のバイデン前副大統領と初めて電話会談した。日米両国のトップ交代は新しい関係を築く好機でもある。地域の安定や地球的規模の課題解決に向けた連携強化に努めてほしい。

 米大統領選で勝利を確実にしたバイデン氏はすでにカナダや英仏独、アイルランドの各国首脳と相次いで電話会談を行い、きのうは菅氏のほかモリソン豪首相、文在寅(ムンジェイン)韓国大統領とも会談した。

 一連の電話会談はバイデン政権への移行に向けた外交始動の一環だが、日本にとっては、いまだ敗北を宣言しない現職のトランプ大統領との決別を意味する。

 安倍晋三前首相はトランプ氏と首脳同士の信頼関係を築いた。首脳同士は良好な関係が望ましいことには基本的に異論はない。

 ただ突出した蜜月関係は、関係を誤った方向に進ませかねない。安倍前政権の場合、米国内産業重視のトランプ氏に配慮した、F35戦闘機やオスプレイなど高額な米国製兵器の大量購入が一例だ。双方で政権が代わる以上、購入規模や価格を見直してはどうか。

 来年三月末に特別協定の期限が切れる在日米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)を巡る交渉も始まった。トランプ氏は同盟各国に負担増を求め、日本には現在の四倍に当たる年間八十億ドルへの増額を求めていた、という。

 日本は二〇一六年度からの五年間に総額九千四百六十五億円、年平均千八百九十三億円負担しているが、そもそも日米安全保障条約上、日本側に義務のない負担だ。

 日本は思いやり予算以外にも米軍施設の借料や基地周辺対策費、米軍再編費用などを負担し、防衛省以外が所管する基地交付金などを加えれば年間総額八千億円近くに達する。バイデン新政権にはそうした実情を丁寧に説明したい。

 バイデン氏は菅氏に「(米国の日本防衛義務を定めた)安保条約五条の尖閣諸島(沖縄県石垣市)への適用についてコミットする」と述べた。海洋進出や軍備増強を進める中国の動向を米国が引き続き注視し、東アジアの安全保障に積極関与する意思を示したと理解する。北朝鮮の拉致・核・ミサイル問題の解決も喫緊の課題だ。日米の連携強化が地域の緊張緩和に資するなら歓迎したい。

 日米安保が沖縄の過重な負担に支えられている実態も見過ごせない。新政権誕生は県民が反対する辺野古での新基地建設を見直す好機だ。民主主義に支えられた新しい日米関係への進化を望みたい。

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