The Beginning of Space Tourism as a Business: Branson’s and Bezos’ 1st Flights

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宇宙ビジネスに力を入れている有名実業家のリチャード・ブランソン氏とジェフ・ベゾス氏が11日から相次いで「宇宙旅行」に出発する。ベゾス氏のロケットには一般の乗客も有料で同乗、民間企業による「宇宙旅行ビジネス」がいよいよ始動する。

英ヴァージン・グループを率いるブランソン氏は1日、傘下の米民間企業が開発した宇宙船の試験飛行に搭乗し、11日に宇宙旅行すると発表した。20日の出発を予定していた米アマゾン・ドット・コム創業者のベゾス氏に、対抗心をあらわにした格好だ。

ベゾス氏が設立した米ブルーオリジンは20日に打ち上げを予定。宇宙船にはベゾス氏と弟のマーク氏のほかにオークションで搭乗権を落札した乗客が搭乗する。ロシアのように国営機関が民間人を有料で宇宙に送ったり、スペースXのように民間が宇宙飛行士の輸送を請け負ったりする例はあるが、民間のロケットに有料で一般乗客が搭乗するのは初めてだ。

初の商業宇宙旅行は10分31億円

2社の宇宙旅行は「サブオービタル(弾道)飛行」と呼ばれるタイプ。ブルーオリジンの場合で打ち上げ後、約3分で乗客の乗ったカプセルをロケットから分離。宇宙に到達して数分の無重量状態を体験した後、パラシュートで地上に降下する。打ち上げから着陸までは10分余りしかかからない。

同社の落札価格は2800万ドル(約31億円)に達したが、ヴァージンが商業旅行の価格を約25万ドル(約2750万円)に設定するなど一般的には数千万円程度と見込まれる。宇宙飛行士のように国際宇宙ステーション(ISS)などに向かう宇宙旅行が50億円程度とされるのに比べてずっと手軽に宇宙を体験できる。

サブオービタル飛行は長距離を短時間で結ぶ交通手段としても期待される。米スペースXは火星旅行用の宇宙船を使いニューヨーク―上海を約40分で結ぶ構想を打ち出している。用途を広げてロケットを量産、コストを下げる狙いもある。創業者のイーロン・マスク氏は航空機のエコノミークラス程度の料金をめざすとし、実現すれば一般人にも手が届く価格で宇宙旅行ができる。

関連法整備が不可欠に

ただ安全面など未確定な課題は残る。先行する米国では乗客に「政府は乗客の安全を保証していない」ことなどを説明したうえで、事故が起きても賠償を求めない同意を求めている。しかし「十分な説明がされたかなど裁判になる可能性もある」と笹岡愛美横浜国立大学准教授は指摘する。

さらに地球を周回しないサブオービタル飛行は宇宙船か航空機かが明確でない。米国の法律では宇宙活動に含まれるが、日本の法律は人工衛星などを前提としているため対象外。宇宙旅行ビジネスを育てるため、関連する法律の早急な整備も欠かせない。

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