Without Any Functional G-7 Coordination on Afghanistan, America Prioritizes Its Withdrawal at End of August

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G7、アフガン対応機能せず 米国第一で8月末撤収維持

24日に開いた日米欧の主要7カ国(G7)首脳によるオンライン協議では、米軍のアフガニスタンの撤収時期をめぐる立場の違いが浮き彫りになった。米国が8月末の撤収にこだわる姿勢を示したが、自国民の退避への悪影響を懸念した欧州側から延期を求める声が相次いだ。対中政策で強めてきたG7の協調にひびが入った形となった。

「現時点では31日までに完了できるペースだ」。バイデン米大統領は24日、ホワイトハウスで演説し、米国人などのアフガンからの国外退避が順調に進んでいると強調した。31日までの米軍撤収を予定通りに完了できるとの見方を示したものだ。

この演説は24日に開いたG7首脳のオンライン会議の直後に行う計画だったが、実際には予定から約5時間も遅れて始まった。同日午後に予定していた国防総省や国務省の定例記者会見もキャンセルになった。安定した外交を展開してきたバイデン政権では珍しい混乱ぶりだ。

混乱の背景には、G7の首脳協議で欧州側が8月末の米軍撤収に強く反対したことがある。欧州連合(EU)のミシェル大統領は24日の記者会見で「複数の首脳が31日という(米軍撤収)期限に懸念を表明した」と明らかにした。協議の内容を知る欧州当局者は「大半の参加国と米国の方針は一致しなかった」と語った。

バイデン氏は演説で米国人らの国外退避が8月中に終わらない場合を想定し、緊急対応計画をつくるように国務省や国防総省に指示したと説明した。8月末撤収をぎりぎりまで見極める姿勢をみせることで、欧州に配慮を示したとみられる。

2001年9月11日に米同時テロが起きると、北大西洋条約機構(NATO)は実行犯が詳細に明らかにならないなかで集団的自衛権の発動を決めた。1949年に創設したNATOの歴史で集団的自衛権を唯一発動したのがアフガン戦争だったが、首都陥落後の混乱は米欧の結束がおぼつかないことを浮き彫りにした。

バイデン氏は1月の政権発足直後から国際協調の重視を訴えてきた。6月に英国で開いたG7首脳会議の共同声明では「台湾海峡の平和と安全の重要性を強調する」と明記。人権や民主主義の重視でも一致して中国に対抗する姿勢をみせてきたが、アフガンをめぐるすれ違いでG7の協調が壁にぶつかった形だ。

アフガンからの国外退避が今後も円滑に進むかどうかは不透明だ。複数の米メディアによると、米中央情報局(CIA)のバーンズ長官が23日にカブールでタリバン幹部のバラダル師と極秘会談した。米軍撤収のタイミングをめぐってタリバンの出方を探るとともに、今後も米国人やアフガン人が円滑に国外へ退避できるよう協力を求めたとみられる。

一方、米メディアによるとタリバンの報道担当者は24日の記者会見で、アフガン人の空港へのアクセスを今後は認めない方針を示した。米国人も空港に移動しにくくなっているとの報道もある。米国との協力に応じない構えを見せており、バーンズ氏の接触は奏功しなかった可能性が高い。

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