Regional Stability in New Cooperation between US, UK and Australia*

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米英とオーストラリアがインド太平洋地域での新たな安全保障協力の枠組みを設けることで合意した。軍事的に台頭する中国をにらみ、抑止力強化を狙ったものだ。

3カ国は日本と同様、民主主義や法の支配といった価値観を共有する。外交努力も組み合わせ、地域の安定をめざしてほしい。

米英豪の首脳がオンライン形式で共同発表した。枠組みは3カ国の頭文字をとって「AUKUS(オーカス)」と名付け、第1弾として、米英が豪州の原子力潜水艦の建造に協力するという。

バイデン米政権は中国との競争のため、同盟国や協力国との連携を強化している。日豪、インドとの4カ国による「Quad(クアッド)」は24日にワシントンで初の首脳協議を開く予定だ。

豪州は中国の強引な海洋進出や人権問題に警戒と批判を強め、両国関係が悪化している。欧州も事情は同じだ。英国はインド太平洋地域を重視する外交・安保方針を発表し、空母「クイーン・エリザベス」を同地域に派遣した。

米英、米豪はそれぞれ同盟関係にあるが、3カ国で具体的な連携に動く意義は大きい。合意には人工知能(AI)など幅広い分野の協力が盛られた。特に長期間潜航して隠密に行動できる原潜は軍事機密のかたまりとされる。その技術を供与することは、協力のレベルが格段に上がる意味をもつ。

豪州が原潜を展開することになれば、南シナ海から太平洋やインド洋に至る海域で、中国への抑止力が高まり、米国の負担も軽減される可能性がある。

ただ中国が警戒感を強め、軍拡競争が激化するような事態は避けなければならない。モリソン豪首相は「核兵器保有をめざすわけではない」と表明したが、核不拡散に逆行するような印象を国際社会に与えない配慮がいる。

米中首脳は先日の電話協議で、偶発的な衝突を避けるために接点を保つことでは合意した。抑止と対話のバランスに留意しながら、緊張緩和をめざす努力が肝要だ。

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