Biden’s Remarks: Japan Must Also Cooperate in Taiwanese Defense

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バイデン氏の発言 日本も台湾防衛に協力を

バイデン米大統領がCNNテレビ主催の対話集会で、台湾が中国から攻撃された場合に米国は台湾を防衛するつもりかを問われ、「その通りだ。私たちにはそうする責任がある」と述べた。

米政府はこれまで、中国による台湾侵攻の際の米国の防衛責任を明言しない「戦略的曖昧さ」を維持してきた。大統領の今回の発言を受け、米政府高官は「大統領は米政策の変化を表明したものでは一切ない」と語った。

だが、政府高官の釈明を額面通りには受け取れない。米国は台湾へ特殊部隊を派遣し、軍事訓練を施してきた。台湾への米国製の武器売却も進めている。大統領の発言は、台湾防衛が米国内で常識化している表れだろう。

自由と民主主義を掲げる台湾が中国共産党政権の手に落ちれば、台湾の人々の自由や、民主主義は失われる。そのうえ、日米両国をはじめ、世界の自由や民主主義、法の支配などの基本的価値を重視する国々が耐えられないほど国際情勢は悪化してしまう。

中国軍基地が台湾に設けられれば、地域の軍事バランスは中国有利に傾く。日本は西太平洋地域で孤立し、中国から今まで以上に軍事的、外交的に圧迫されるだろう。尖閣諸島(沖縄県)を含む南西諸島の守りは困難を極める。

台湾の蔡英文総統が国際社会に支援を呼びかける際、「台湾は地政学上の要衝だ」と繰り返し述べてきたのはこのためだ。

米国の次期駐中国大使に指名されたニコラス・バーンズ元国務次官は米上院外交委員会の公聴会で、中国の軍事的動向について「21世紀最大の脅威であることは疑いようがない」と指摘した。同盟国との協力や台湾の防衛力強化を支援する必要性を強調した。

次期駐日大使に指名されたラーム・エマニュエル前シカゴ市長も同じ公聴会で、日米同盟の強化を最優先事項に掲げ、日本の防衛費拡充に期待感を示した。

バイデン政権は、日本をはじめとする同盟国と協力することで、対中抑止策に実効性を持たせようとしている。

そこで問われるのが、平和を守る日本の意思と行動だ。「台湾海峡の平和と安定」のため、日米同盟の抑止力向上は欠かせない。そのために日本は何ができるのか。各党は衆院選でこの問題への姿勢をはっきり語るべきである。

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