Canteen Dropped from US Military Aircraft: Use of Special Privileges Should Be Eliminated

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米軍機から水筒落下 自由使用特権を撤廃せよ

米軍普天間飛行場周辺の住民を再び恐怖が襲った。23日、同飛行場所属のオスプレイからステンレス製の水筒が宜野湾市野嵩の住宅街に落下した。2017年に緑ヶ丘保育園と普天間第二小学校にヘリコプターの部品が落下した事故の記憶はまだ生々しい。再発防止策への期待はまた裏切られた。落下事故が繰り返されるのは、米軍に沖縄の空を自由使用できる特権があるからだ。特権を認める日米地位協定の抜本改定が必要だ。

 水筒には水が入っていて、かなりの重さだったようだ。落下の瞬間を捉えた防犯ビデオの映像を見た伊波一男宜野湾市議は「車に当たれば屋根を貫通するのではないか」と指摘している。惨事は免れたとはいえ、住民の恐怖はいかほどだろうか。

 緑ヶ丘保育園の事件では、米軍が落下を認めず沖縄県警の捜査は行き詰まった。今回、米軍は認めたが、地位協定に基づく航空特例法により刑事責任は問われない。

 今回も、米軍は自ら地元への通報や公表をしなかった。落下したのは午後6時40分ごろ。住民が気付いたのは午後11時ごろ。県警の現場検証が始まったのが翌朝午前9時半。10時を過ぎてようやく、米軍に確認した沖縄防衛局から、オスプレイからの落下だと市に伝えられた。

 米軍は落下後も夜間の飛行訓練をしており、翌日も平然と飛行していた。住宅街上空で落下させたと気付いていながら、問われなければ答えない神経は理解しがたい。「よき隣人」と米軍が掲げてもむなしいだけである。

 那覇軍港でも、オスプレイや大型ヘリが相次いで着陸する異変が起きている。メンテナンスのため4機が船に積み込まれ、24日に本国へ向け出港した。本国でメンテナンスしなければならない機体が、人口が密集する那覇市にある軍港に着陸したのである。25日には別のオスプレイが3機陸揚げされた。米軍は那覇軍港での発着を日常化しようとしているのではないか。

 沖縄の日本復帰時に在沖米軍施設の使用条件などを定めた「5・15メモ」には、那覇軍港の「使用主目的」は「港湾施設と貯油所」と記されている。県が目的外使用だと問題視したことに対し、防衛局は5・15メモは主たる目的を定めたにすぎず「航空機の着陸を排除していない」と正当化した。

 日米地位協定上、米軍基地間の移動が無制限に認められていることが、これらの背景にある。住民の安全や生活は二の次だ。その不条理が、今回の水筒落下や航空機の那覇軍港使用で改めて浮き彫りになった。こんな状態を日本政府はいつまで許すのか。

 普天間飛行場の危険性除去は待ったなしだ。直ちに運用を停止するとともに、地位協定の抜本改定に着手し、米軍に日本の航空法を適用して、ドイツやイタリア並みに飛行を制限すべきだ。

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