Ukraine Invasion: US Leadership Critical to Halting the ‘Destruction of Peace’

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ウクライナへの攻撃を激化させるロシアに対し、米欧が外交攻勢を強めている。戦闘は長期化の様相を呈している。一段の圧力が求められる。

 民間人の犠牲者は増え続け、避難民が膨れ上がっている。砲撃は都市部の住宅街に及び、原発すら標的になる異常事態である。

これに対し、米欧が中心となって制裁を強化し、グローバル企業も次々と同調した。国際社会は攻撃の即時停止要求を突きつけた。

 だが、プーチン露大統領は聞く耳を持たず、「容赦ない戦い」を続けるとすごむ。暴走を一刻も早く止めなければならない。

「自由は必ず独裁に打ち勝つ」。バイデン米大統領は先週、連邦議会での演説でこう強調した。プーチン氏の「誤算」を列挙し、「思いもよらぬ力の壁に直面した。ウクライナ国民だ」と述べ、全面支援する意向を表明した。

 ただし、米国にも「誤算」があったことは事実だろう。機密情報を公開し、侵攻を阻止しようとしたが、抑止の壁は突き破られた。

ロシアは米軍のアフガニスタン撤収を米国衰退の兆候と捉え、ウクライナに侵攻しても報復されないと見くびった節がある。

 米国が担う責任は重い。プーチン氏の行く手を阻むための包括的な戦略が必要だ。

 まず欧州の同盟国の防衛力を強化し、ウクライナ支援を増強する。これをてこにロシアの動きに歯止めをかける外交を展開する。

米軍は地上戦に有効な兵器や装備を大量にウクライナに提供している。侵攻に屈しないという連帯を行動で示すことは重要だ。

 米欧はロシア産原油の禁輸制裁を検討している。露経済を痛撃する狙いだが、原油価格の高騰を招き、世界経済への影響は大きい。

 カギを握るのは中東諸国だ。ロシアとの関係を深めるサウジアラビアやアラブ首長国連邦を再び米国側に引き寄せるために、政策の見直しを急ぐべきだ。

 ロシアは武器取引などを通じてアフリカや中南米の独裁国家とのつながりを強めている。これを断つ取り組みも求められよう。

 平和を破壊する独裁を倒し、自由を回復する道のりは険しいが、くじけてはならない。米国の指導力なくしてその実現はない。

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