Scientific and Technological Cooperation: Russia’s Self-Righteous Attitude Will Lead to Isolation

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ウクライナ侵略で世界から厳しい非難を浴びているロシアが、科学技術分野でも孤立を深めている。ロシアはこれ以上、国際社会に背を向けるような言動を慎むべきだ。

 例えば宇宙開発分野だ。ロシアのソユーズロケットは世界中で人工衛星打ち上げの需要があった。しかし、ロシアはカザフスタンで予定していた英企業の通信衛星打ち上げを中止し、仏領ギアナの基地からも人員を引き揚げた。

 打ち上げはスケジュールが重視される。一方的に予定を取り消すようでは、今後の受注は期待できまい。米国とともに宇宙開発を先導してきた宇宙大国の地位から滑り落ちるのは必至だ。

 今後は米民間ロケットなどへの乗り換えが進むと予想される。日本にとっても好機のはずだが、日本の次期主力ロケット開発は遅れている。衛星を打ち上げる能力の確保はますます重要になっている。開発を急いでもらいたい。

 国際宇宙ステーション(ISS)の先行きも不透明になっている。日米欧露などが参加するISSの枠組みは、これまで国同士の対立を乗り越えて維持され、国際協調の象徴とされてきた。

 ロシアは、ISSの軌道維持を担ってきたが、担当する露宇宙機関のトップは「制御不能となって落下するISSを誰が救うのか」とツイッターに書き込み、ISSからの離脱を示唆した。

 宇宙開発で各国が協力してきた長い歴史を考えれば、公的機関の代表による今回の投稿は、無責任極まりないと言わざるを得ず、看過できない。

 旧ソ連時代のような「鎖国」政策を取れば、ロシアの科学技術の水準は大きく低下し、世界から取り残されるに違いない。

 ロシアを巡る緊張は、基礎科学の分野にも暗い影を落としている。各国では、ロシアとの共同研究を取りやめたり、ロシアで開催予定の学会をオンラインに切り替えたりするケースが出ている。

 近年、高度な科学技術の取り扱いを巡っては、安全保障上の懸念が増している。ロシアに厳しい経済制裁を科している以上、研究活動にも一定の制限が及ぶことは避けられない。

 ただ、科学的な知見は人類共通の財産だ。国際共同研究が常態化する時代にあって、地球温暖化や感染症などへの対応は国を超えた協力がなければ成り立たない。

 ロシアもこうした現状を認識し、状況を悪化させるだけの強硬姿勢を改めることが必要だ。

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