North Korea ICBM: Japan, US and South Korea Must Take Firm Action

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[北朝鮮ICBM] 日米韓で毅然と対応を

( 3/26 付 )

 北朝鮮が新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射し、北海道・渡島(おしま)半島の西約150キロにある日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下した。

 これまでにEEZ内に落下した弾道ミサイルの中で、日本列島に最も接近した可能性がある。近隣国の安全を顧みず、地域を不安定化させる暴挙と言わざるを得ない。日本は米韓両国と連携して毅然(きぜん)と対応すべきだ。

 北朝鮮国営メディアは、ICBM「火星17」の発射実験を行い成功したと報じた。最高高度は6200キロを超え、飛行時間は67分余りとしており、2017年に発射したICBM「火星15」を大きく上回った。

 火星17は通常軌道で発射した場合1万5000キロ以上飛行し、米ワシントンやニューヨークが射程に入るという。脅威の度合いは一層高まったと言える。

 北朝鮮は18年4月の朝鮮労働党中央委員会総会で、核実験とICBM発射の中止を決定していたが、これを明確に覆した格好だ。今回の発射は米本土への核攻撃能力を誇示し、対米交渉を優位に進めたい狙いがうかがえるが、国際社会の反発は必至だ。

 ウクライナへの侵攻に踏み切ったロシアのプーチン大統領が核による威嚇を繰り返す中、核の脅威が極東にもあると強調する狙いもあるのだろう。核を保有してこそ米国の攻撃から自国を守ることができると判断した可能性もある。

 核を放棄したウクライナがロシアに攻め込まれる様子を見ながら、抑止力としての核は放棄できないと考えているのではないか。そうだとすれば、今後もミサイル開発が加速しかねず、朝鮮半島がさらに危険な状態になることが懸念される。

 北朝鮮の国内経済状況は厳しい。韓国銀行の推計では20年の経済成長率は前年比マイナス4.5%で、金正恩(キムジョンウン)体制になり最も大きな落ち込み幅となった。

 米国はミサイル関連物資を移送したとしてロシアと北朝鮮の団体などを独自制裁対象に指定した。制裁強化の動きは国際社会に広がり、経済状況はさらに厳しくなることも予想される。

 北朝鮮はミサイル開発にかかる資金を医療や食料に充て、外交的対話を通じて米朝の信頼関係を築くことを優先すべきではないか。

 国際社会はロシアのウクライナ侵攻への対応に追われているが、北朝鮮に挑発的な行動が許されると誤信させてはなるまい。平和や安定を揺るがす行為にあらゆる手段で「ノー」を突き付け、方針転換を強く迫りたい。

 日米韓3カ国は北朝鮮の完全な非核化に向けて緊密に連携する方針を改めて確認した。拉致問題解決のためにも足並みをそろえ、北朝鮮に圧力をかけ続ける必要がある。

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