New South Korean Administration: Improving Deterrence through Cooperation with Japan and the US

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 韓国で5年ぶりに保守政権が発足した。自由と民主主義の価値を共有する日米との連携を強め、北朝鮮や中国の脅威に対処する政策のすりあわせを進めてもらいたい。

 尹錫悦大統領は就任式の演説で北朝鮮の核問題が「朝鮮半島だけでなく、アジアと世界の平和を脅かしている」と強調した。一方で、北朝鮮が核開発を中断して実質的な非核化に方向転換すれば、経済支援を行う方針も示した。

 左派の文在寅前大統領は、北朝鮮との対話や経済協力を重視する融和政策を進めたが、非核化を実現できなかった。

 それでも、韓国内では対北融和政策を支持する声が根強く、保守派と左派の対立が続いている。尹氏の支持率は41%で、歴代大統領の就任当初と比べて低い方だ。

 尹氏が演説で北朝鮮との対決姿勢を抑え、対話と協力に言及したのは、社会の分裂を深めたくない思いもあったからではないか。

 尹氏も、北朝鮮に核開発の中断を決意させるのは容易ではないだろうが、中国や北朝鮮への配慮が目立った前政権と比べ、日米を重視する姿勢はすでに明確に打ち出されている。

 尹氏は4月の段階で、側近や専門家で構成する代表団を日米に相次いで派遣し、外交の地ならしを行った。新政権の人事では、大統領府国家安保室長などの要職に米国通の学者を起用し、米韓同盟を強化する姿勢を示している。

 北朝鮮は最近も、弾道ミサイル発射を繰り返し、核実験の準備も報じられるなど、非核化に応じる見通しはない。日米との連携強化を通じて、抑止力を向上させるという尹氏の基本路線は、現実的な政策として評価できる。

 尹氏は、北朝鮮の核・ミサイル攻撃を抑止するための先制攻撃能力の整備や、在韓米軍のミサイル防衛の追加配備を提唱している。実現に向けて、米国との緊密な協議を行うことが重要である。

 前政権下で規模が縮小されてきた米韓合同軍事演習の再強化も検討すべきだろう。

 日韓両国は、韓国の政権交代を機に関係改善を図り、安保協力を再開すべきだという認識では一致している。問題は、足かせとなっている元慰安婦や元徴用工(旧朝鮮半島出身労働者)を巡る懸案を解決できるかどうかだ。

 日本政府は、尹政権が早急に具体策をとることを期待している。解決に向けた前向きの動きがあれば日本側も柔軟に応じ、建設的な対話を行うことが望ましい。

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