Japanese Government Must Take a Strong Stance toward New US Military Facilities in Kadena

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在沖米空軍が嘉手納基地の元駐機場「パパループ」地区に防錆(ぼうせい)整備格納庫を建設する計画について米軍は嘉手納町が出した代替案を拒否した。町は格納庫の移設計画の即時撤回と、計画に伴う文化財調査の中止を求めている。

 移設計画を巡っては、予定地が住宅地域に近いことから、騒音や航空機の排ガスによる悪臭などの被害が懸念されている。

 移設されれば住民への重い負担が恒久化される恐れがある。県も事態を重くみて町と歩調を合わせて計画撤回を求めている。一方、日本政府は「地元への影響を最小限にとどめるよう、米側と調整する」との姿勢だ。それでは生ぬるい。日本政府こそが、住民や町、県の意思を尊重し、米側の移設計画を拒否すべきだ。

 米軍は、航空機のさびを除去するための施設と塗装用の施設の2棟を建設することを計画しており、いずれも高さ30メートル。嘉手納基地滑走路の北側には既存の防錆格納庫があるが、E3早期警戒機など大型機に対応できないため、規模を拡大してパパループに移設するという。

 これに対し、嘉手納町は、建設場所を民間地と離れた場所にする代替案を米側に提示した。しかし嘉手納基地の第18航空団は現段階では現行の計画で決定していると突っぱねた。

 米軍の住民軽視は甚だしい。米軍は遅くとも2019年4月に計画を立てていたが、日本側に通知があったのは今年5月で、3年以上、日本側に説明していなかった。その上、パパループ地区は、MC130特殊作戦機の駐機場として使用しており、騒音や悪臭などの被害が一層拡大している。米軍は一時的な使用と説明しているが、既に長期化している実態がある。

 パパループの東側にはかつて旧海軍駐機場があった。この駐機場は1996年の日米特別行動委員会(SACO)の最終報告で移転が合意されたが、2017年に基地内の別の場所に移転されるまで約20年かかった。このため新たな防錆施設が建設されれば、半永久的に負担を強いられる懸念が住民の間では強い。

 住民や町、県の移設撤回要求を拒否する米軍の姿勢はあまりにも身勝手だ。日本政府はそれを許容してはならない。米側と「調整する」と繰り返す対応は、住民はじめ町や県の強い意思とかけ離れているように映る。

 嘉手納町の當山宏町長は町議会9月定例会で、計画を即時撤回させるための組織を結成し、町民大会を実施する可能性を示唆した。そこまでしないと米側を動かせないという危機意識が垣間見える。日本政府はその意識を共有すべきだ。計画が進めば、長期的に見てSACO合意は何だったのかとの疑問も湧く。日本政府はただの調整機関であってはならない。住民や自治体の立場に立ち、強い態度で対応すべきだ。

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