安保理緊急会合 北の暴走許す無責任な中露
軍事的挑発を繰り返す北朝鮮を擁護し、米国に責任を転嫁するのは、筋が通らない。中国とロシアは大国としての立場を自覚して、北朝鮮の暴走を阻止すべきだ。
北朝鮮がまたしても弾道ミサイルを2発、発射した。9月下旬以降、2日に1回の異例のペースだ。核・ミサイル技術の確立を急いでいるとの見方が強い。
日本上空を通過した4日のミサイル発射を受けて、国連安全保障理事会は緊急会合を開いた。その会合の最中に、今回のミサイル発射は行われた。
安保理を意に介さず、北朝鮮が軍事行動を繰り返しているのは、常任理事国である中露の無責任な対応に原因がある。
緊急会合で米国などは、北朝鮮を非難する報道機関向けの声明の発出を目指したが、中露の反対で実現しなかった。
米国の国連大使が「中露の全面的保護が、北朝鮮の行動を可能にしている」と批判したのに対し、中露は「ミサイル発射は、米国の北朝鮮に対する軍事行動の結果なのは明らかだ」と反論した。
日米韓の共同訓練や安全保障協力は、北朝鮮の挑発に対して、地域の安定を維持する目的にほかならない。中露の主張は、北朝鮮の言い分を丸ごと繰り返しただけで、説得力を欠く。
中露が協力しなかったため、米欧やインドなど安保理理事国9か国に日韓を加えた11か国は、発射を非難する共同声明を出した。
日米韓は引き続き、北朝鮮問題で主導的な役割を果たさねばならない。圧力路線を堅持する重要性を粘り強く訴え、中露両国の 詭弁きべん を正していく必要がある。
中露は過去に、北朝鮮が弾道ミサイルを発射した際は、安保理の制裁決議や非難声明に賛成してきた経緯がある。今の中露の姿勢は、当時とは矛盾しており、北朝鮮を増長させている。
衛星写真の分析などから、通算7回目の核実験を行う兆候も確認されている。地域の安定を脅かす行為に対し、国際社会は 毅然きぜん と対処することが重要だ。
相次ぐミサイル発射を受け、米韓両軍は、地対地ミサイルの発射訓練を行った。米軍は9月末に続いて、原子力空母を韓国沖の日本海に派遣した。アジアの平和と安定に米国が関与し続ける姿勢を示したものと言えよう。
北朝鮮は、変則的な軌道で飛ぶミサイルなど新型の兵器を開発している。日米韓は協力して迎撃態勢を整えてもらいたい。
Leave a Reply
You must be logged in to post a comment.