US Midterm Election: National Reconciliation Remains Far Off

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米中間選挙 国民の融和は遠いままだ

2022/11/11 09:30

 米国の中間選挙で上院、下院ともバイデン大統領の与党民主党と野党共和党が接戦となっている。

 記録的なインフレが続き、大統領の支持率が低迷する中で迎えた選挙だ。

 上院の勝敗の行方は12月に実施されるジョージア州の決選投票に持ち越される見込みだ。下院は共和党がリードを保っている。

 上下両院のどちらかでも共和党が多数となれば、政権と議会で「ねじれ」が生じ、法案が通りにくくなる。内向きの政治を強いられ、バイデン政権の運営が厳しくなることは避けられない。

 共和党の一部は、ウクライナへの大規模支援を継続することに難色を示している。ロシアの侵攻が長期化するにつれ「支援疲れ」も指摘されている。これまでと同様の支援が継続できるのか、不透明な要素が出ている。

 選挙前は、共和党がバイデン政権の財政支出が記録的なインフレを招いたと批判し、追い風を受けているとみられていた。中間選挙は歴史的に与党が批判され、敗北することが大半でもある。

 民主党は今回、健闘したといえる。要因はさまざまだろう。

 民主党は最高裁が6月に否定した人工妊娠中絶の権利の擁護や、銃規制も争点にした。出口調査では経済以外に、これらに関心が集まったことも浮かんでいる。

 何より民主党が争点にしたのは民主主義のあり方だ。中でも前回大統領選の大規模不正を根拠なく主張する共和党のトランプ前大統領の影響力である。共和党から出馬した569人の半数以上が、バイデン氏の勝利を認めなかったり、疑問を呈したりしていた。

 選挙事務職員への脅迫も相次いだ。民主党のペロシ下院議長宅にトランプ氏支持者とみられる男が侵入し、夫に重傷を負わせる事件も起きた。共和党穏健派にも危機感があったのではないか。

 バイデン大統領は民主党の善戦について「有権者は民主主義を守りたいと明確にメッセージを出した」と述べている。

 ただ、トランプ氏を支持する共和党議員らは、大統領選と同様に票が操作されたとの主張を展開する可能性がある。トランプ氏も2年後の大統領選に向け、近く出馬を表明するとの観測が強い。

 中間選挙では両党が互いに中傷を繰り広げ、有権者は支持しない党への嫌悪感をあらわにした。議論すら成り立たない米国内の分断は今後も深まりかねない。2年前の大統領選でバイデン氏が掲げた国民融和は遠いままである。

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