US-China Exchanging Blows: China’s Support for Russia Must Not Be Allowed

<--

米中の応酬 中国の対露支援許されぬ

ブリンケン米国務長官と中国の外交トップ、王毅共産党政治局員が訪問先のドイツ・ミュンヘンで会談した。

ブリンケン氏は王氏に対し、中国がウクライナ侵略を続けるロシアに殺傷力のある武器を含む「さまざまな種類」の支援を検討しているとの情報があると指摘した。

そのうえで、中国がロシアに支援物資を送ったり、制裁回避を助けたりすれば、「深刻な結果になる」と警告した。

国際法違反を犯し、ウクライナの主権を踏みにじる侵略者ロシアに中国は加担してはならない。国際社会は米国とともに、中国の対露支援を阻む必要がある。

ロシアがウクライナに侵攻して間もなく1年となる。懸念されるのは中露の接近だ。ハリス米副大統領はミュンヘンでの安全保障会議で、「中国はロシアとの関係を深めた」と述べ、対露支援への警戒感を表明した。

王氏は安保会議で「一方的な制裁は非生産的で、対話は放棄されるべきではない」と主張した。制裁の否定はロシアを利することにつながる。

先進7カ国(G7)外相会合では、林芳正外相が議長国としてウクライナ支援と対露制裁の継続を再確認した。中露接近の動きを許してはならない。

米中の外交トップは、中国のスパイ気球(偵察気球)の問題でも応酬した。主権侵害を非難するブリンケン氏に対し、王氏は「気球は民間用だ。武力の乱用は国際条約に反する」と反論した。

だが、米国は撃墜した中国の気球の残骸を回収し、信号傍受に使われたとみられる電子機器を発見した。米政府は、中国人民解放軍が指揮する「中国気球船団」が五大陸の40カ国超の領空を飛行してきたと非難している。

他国の許しを得ずに領空に侵入して偵察活動を行うのは国際法違反である。外国の主権、領域を尊重するという国際関係の基本を踏みにじる中国の行為は容認できない。謝罪もせずに開き直る中国外交トップの姿は見苦しい。

王氏は安保会議の演説で「中国は平和的発展の道を歩む」と強調した。だが、対露制裁に反対しスパイ気球を放つ姿勢は言行不一致もいいところだ。国際秩序を乱しながら、西側からの大規模投資を呼び込みたいという虫のいい話は通らなくなると知るべきだ。

About this publication