20 Years Since the Iraq War: US Must Not Weaken Involvement in the Middle East

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イラク戦争20年 米は中東関与を弱めるな

米軍が主導する有志連合がイラクのフセイン独裁体制を打倒するため2003年に始めたイラク戦争の開戦から、20日で20年を迎えた。

戦争が終結したのは米軍の撤退が完了した11年である。フセイン政権崩壊後のイラクでは多数派のイスラム教シーア派勢力が政権を主導した。

見過ごせないのは中東における力学の変化だ。イラクの隣国、シーア派大国のイランは地域での存在感を高めた。米国の中東への関与が次第に弱まる中、その隙に乗じるように中国やロシアが中東への進出姿勢を強めている。

中露のような専制主義勢力が中東の勢力図を都合良く書き換えるのを阻むため、米国は中東への影響力の維持に努めるべきだ。

中国を「唯一の競争相手」と位置付ける米国が東アジアに戦略資源を重点的に投入するのは当然だとしても、中東の安定に向けた米国の関与は等しく重要である。

米国はイラク戦争に莫大(ばくだい)な戦費を投じ、多数の米兵が犠牲となった。米国の一部では他国への関与を避ける孤立主義的な主張もみられるようになった。だからといってロシアのウクライナ侵略などへの介入を躊躇(ちゅうちょ)すべきではない。

米国は「イラクの大量破壊兵器保有疑惑」を開戦理由の一つとしたが、肝心の兵器は見つからず米国の威信は傷ついた。それでも米国の軍事介入を恐れたリビアに核開発を断念させ、中東での核不拡散に貢献した側面もある。

中東の安定化はイランへの対処が鍵を握る。核開発を進めるイランは地域の重大なリスクだ。

イラク戦争後、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」掃討のためイラクに再派遣された米軍は21年に戦闘任務を終えた。ただその後も、約2500人がイラク軍の訓練などを理由に駐留を続けている。イラクがイランの完全な影響下に組み込まれないよう、米軍の駐留継続は欠かせない。

米国はまた、同盟国であるサウジアラビアとの関係修復を急ぐべきだ。両国にはサウジの反体制記者殺害事件を巡る確執がある。これを横目に中国はサウジとイランの関係正常化を仲介した。米国はサウジを足掛かりとする中東での主導的立場が脅かされた現実を深刻に認識しなくてはならない。

バイデン米政権は、こうした諸問題に対処するため、中東戦略を早急に再構築すべきである。

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