<--
バイデン降ろしの違和感 民意尊重の議論盛り上がらず
米大統領選で民主党のバイデン大統領が党議員からの撤退圧力で出馬を辞退した。民主党はハリス副大統領を大統領候補とし支持を求めるが、「バイデン降ろし」に違和感を覚えた。
撤退圧力はバイデン氏が討論会で言葉に詰まるなど精彩を欠いたことで噴出した。民主党寄りの報道姿勢で知られるニューヨーク・タイムズ紙が社説で撤退を要求。党議員が次々と撤退を公に求めた。
共和党のトランプ前大統領に敗れることと、同時実施の上下両院選で民主党が不利になることへの懸念だった。ワシントンには撤退論が吹き荒れた。
しかし、党員や一般有権者が撤退を求めデモが頻発する状況ではなかった。バイデン氏は自身を引きずり降ろそうとしているのは一部の「党エリート」だと強く反発した。予備選などで党員らが投票した1400万票超によって大統領候補の地位を得ていたからだ。
投票結果をどう尊重するかといった議論や報道は盛り上がらず、議員の圧力でバイデン氏を追い込んだことに記者は引っかかった。トランプ氏は、民意を重んじない議員の対応を逆手に取り「民主党こそが民主主義の脅威だ」と批判する。
記者がバイデン降ろしへの違和感を民主党支持者にぶつけると、彼は「説明するのは難しい」と頭を抱えてしまった。(坂本一之)
Leave a Reply
You must be logged in to post a comment.