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米国の不条理な市場原理 大谷効果でドジャースのチケット高騰も球場には空席
米国で戸惑うことの一つに、「市場原理」の強力さがある。
例えば航空券は購入時点の需要と供給で大きく価格が変動する。ある出張時、予約した便が欠航となったのでチケットを買い直そうとしたら、価格が5倍にはね上がっていて、やむなく鉄道に切り替えたことがあった。利用者側に何の非もないだけに「こんなの理不尽だ」と感じたものだ。
プロスポーツでも、人気チームのチケットは高値となる。大リーグ・ドジャースの場合、今季から大谷翔平選手らが加入した効果で、大手販売サイトでの価格が前季の約2倍に高騰したとの報道もあった。
先日、ワシントンで行われた地元チームとドジャースの試合を観戦したのだが、チケットはやはり基本価格よりかなり高め。スタジアムは空席が目立った。この時は「こんなの本末転倒だ」と思った。
今や、どんなチケットもオンライン購入の時代。米メディアによると、需給データから一定の計算方法(アルゴリズム)で売り手側にとっての最適価格が決まる仕組みらしい。
手ごろな価格でより多くの客を楽しませる。そんな消費者側のささやかな期待に、市場原理は必ずしも応えてくれない。「こんなの不条理だ」と首をかしげることもしばしばだ。(大内清)
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