Reckless Resumption of Kadena Osprey Flights Is Inexcusable

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<社説>嘉手納オスプレイ飛行 無謀な運用再開許されぬ

地域住民の不安など全く眼中にないのだろう。無謀な運用再開は許されない。

 米軍は10日、嘉手納基地に駐機している海軍仕様機CMV22オスプレイの飛行を再開した。昨年11月、米軍横田基地所属のCV22が鹿児島県屋久島沖に墜落して以来、嘉手納基地のCMV22は飛行を止めていた。

 飛行再開に際し、県や沖縄市、嘉手納町、北谷町への事前連絡はなかった。今年3月で飛行停止措置は解かれており、連絡は不要だと米軍が考えているならば、地域住民への配慮が全く欠けている。

 構造的な欠陥が指摘されているオスプレイの飛行に対して地域住民や行政は神経をとがらせている。それを無視するかのような飛行再開は断じて許されない。しかも、無人偵察機MQ4トライトンも飛来した。嘉手納基地の機能は強化されるばかりだ。

 県の玉城デニー知事は「到底納得できるものではない。引き続き配備撤回と明確な説明を求めていきたい」と述べた。北谷町の渡久地政志町長も「負担軽減と言っているのに機能強化される一方だ」と批判した。玉城知事や渡久地町長の不満は当然であろう。

 昨年11月の墜落事故では乗員8人が死亡した。オスプレイの事故では最多の死者数である。この事故を受け、米軍は12月、世界中で運用している全てのオスプレイの飛行を停止した。機材の不具合の可能性が判明したからだ。

 しかし、事故原因の詳細を明らかにしないまま、米軍は今年3月、オスプレイの飛行再開を発表した。県議会は飛行再開に抗議し、11年ぶりに配備撤回を求める決議を全会一致で可決したが、米軍は普天間飛行場のMV22による訓練再開を強行した。安全性の問題は依然として放置されたままである。

本来ならば県民・国民の生命財産を守る立場から日本政府は米軍の飛行再開に反対すべきであった。少なくとも、墜落事故の原因や事故抑止策に関する詳細な説明を求め、その内容を検証する必要があった。米側の意向を優先し、地元の安全確保を後回しにするような態度は主権国家として許されない。

 オスプレイに関しては2022年に米カリフォルニア州で発生した海兵隊オスプレイの墜落事故で、死亡した隊員の遺族がメーカーを相手に損害賠償を求める訴訟を起こしている。機体の設計・製造は政府の安全基準を満たしていないと遺族は主張する。

 オスプレイの沖縄配備から今年10月で12年になる。16年12月、普天間所属機が名護市安部の沿岸に墜落した。17年8月にはオーストラリア東部海上に普天間所属機が墜落し、3人が死亡した。

 2度の重大事故が起きているのに安全性が担保されないまま飛行を続けること自体、異常である。県民の命を守るにはオスプレイの飛行停止と米本国への撤収しかない。

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