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米大統領選討論会で精彩欠いたバイデン氏の評判は 現場で聞いた報道と異なる声
11月の米大統領選の取材で6月末、民主、共和両党の勢力が拮抗(きっこう)する中西部ウィスコンシン州を訪れた。バイデン大統領(民主党)がトランプ前大統領(共和党)との討論会で精彩を欠き、有力紙ニューヨーク・タイムズがバイデン氏に選挙戦からの撤退を促した直後だった。
民主党会派所属のサンダース上院議員が開いた集会で参加者に話を聞くと、ほとんどの人がバイデン氏を「強く支持」し、米メディアが報じる党内の撤退論と異なる空気を感じた。
60代女性は「討論会でのパフォーマンスは期待するものではなかったが彼を信じている」と語り、バイデン氏に投票すると力強く語っていた。政治の街ワシントンで吹き荒れる撤退圧力や世論調査での不人気を、集会の参加者から感じることは難しかった。
休日の公園で読書をしたり子供と遊んだりしている親たちに話を聞くと、そもそも討論会を見ていないという人も多かった。無党派層で民主党支持寄りという30代男性は、撤退論にはあまり関心がない様子で「多分、バイデン氏に投票すると思う」と苦笑した。
東京でも永田町(政党)や霞が関(省庁)の議論に関心が集まりすぎて、地方の有権者の声を見誤ることがある。現場を歩き生の声を聞くことの大切さを改めて痛感した。(坂本一之)
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