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【外信コラム】
ポトマック通信 気は早いが…
2011.2.16 02:57
今月10日から12日までの3日間、ワシントン北部の国立動物園近くにあるホテルで、共和党系の「保守政治行動会議」(CPAC)が開かれた。
毎年恒例の行事でニュース記事にはなりにくいと思ったが、来年の大統領選への出馬が取り沙汰される有力政治家が集まるため、冷やかし半分で日参した。
実はこのホテル、さきの日米開戦直前、日米交渉で日本側をさんざん苦しめたコーデル・ハル国務長官ら政府高官が住んでいた高級アパートだった。極秘交渉に臨むため、野村吉三郎駐米大使が足しげく通った場所だと思うと感慨深い。
会場は連日数千人が集う盛況ぶりで、登壇したミット・ロムニー元マサチューセッツ州知事らは“オバマ外交”批判の大合唱。ここだけ見れば、もう大統領選真っ盛りという案配だ。
ロムニー氏は新たな核軍縮条約を締結した対露外交を弱腰とし、共和党上院幹部のジョン・スーン氏はテロリストの取り締まりが物足りないと批判した。
景気対策で共和党に歩み寄るオバマ氏の“抱きつき戦略”を正面から批判しづらくなった保守陣営。気は早いが、来年の大統領選はイランや中国、北朝鮮政策などをめぐり、「内向きなオバマ外交」(米誌ニューズウィーク)の是非が争点の一つになる気配だ。(佐々木類)
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