New Ambassador Kennedy: Hope for Fresh Air in US-Japan Relations

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[ケネディ新大使] 日米関係に新風を期待

( 11/17 付 )

 キャロライン・ケネディ新駐日米大使がおととい着任した。19日に天皇陛下に信任状を奉呈し、女性初の駐日米大使として正式に活動を始める。

 ケネディ新大使の父親は、50年前に暗殺されたジョン・F・ケネディ元米大統領である。外交経験はないが、今も高い人気を誇る元大統領の長女として知名度と豊かな人脈を持つ。日米関係に新風を吹き込む活動を期待したい。

 これまで駐日大使には副大統領、下院議長、上院院内総務など米政界の大物や要職経験者が充てられてきた。だが、最近はトーマス・シーファー氏や前任のジョン・ルース氏など、大統領と個人的に親しい人物が就任している。

 ケネディ氏もこの流れにあるのは間違いない。2008年の大統領選挙ではオバマ氏支持を表明し、民主党候補の指名に結びつけた。12年の大統領選挙でもオバマ氏の再選に貢献した。「大統領に最も短時間で電話がつながる人物の一人」とされるのは、そんな大統領との信頼関係からだろう。

 もっとも、新駐日大使としてのケネディ氏の前途が、ばら色というわけではない。

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題や環太平洋連携協定(TPP)交渉、北朝鮮の核開発など難問が立ちふさがる。沖縄県・尖閣諸島をめぐる日中対立も重い課題に違いない。

 それでも新大使への期待が大きいのは、オバマ氏との距離の近さによる。菅義偉官房長官も新大使の着任に関し、「日本の立場、考え方をストレートに大統領はじめ政府要人に伝えることができる」と語り、大統領とのパイプ役としての役割に期待感を示した。

 王室のない米国で「ロイヤルファミリー」とも称される名家ケネディ家の直系である点も「発信力」という点で日本には心強い。

 ケネディ氏は、オバマ氏から駐日大使に指名された後、日本と日米関係を猛勉強してきた。9月の上院公聴会では「日本こそ私の奉仕先」と述べて日米関係強化に意欲を示した。その意気込みで山積する日米間の諸問題に対応し、円満な解決に尽力してほしい。

 ケネディ氏は、上院公聴会で自ら35年前に広島を訪問したことに触れ、「心を大きく揺さぶられた」と話していた。日米関係で最も難しい問題の一つである原爆投下についての感慨だった。

 ルース前大使が、駐日米大使として初めて広島、長崎の平和式典参列したように、米政府の態度には変化が見られる。新大使も被爆地を訪問し、オバマ大統領に訪問を勧める役割も期待したい。

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