The United States and China's Naval Review: The Welcome Value of Japan-US Alliances

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中国観艦式と米国 同盟の重視を歓迎したい

 中国海軍がアジア太平洋の20カ国以上の海軍を招いて行う国際観艦式に、米海軍が艦船を派遣しないことを決めた。

 派遣見送りの理由は明らかにされていないが、海上自衛隊の艦船が招待されなかったことに抗議する意味合いが込められたものとみられる。

 同盟国日本との結束を重視する米国の姿勢の表れと受け止めたい。日本はそれに応えるためにも、集団的自衛権行使の容認をはじめ、日米同盟の強化策を一層推進しなければならない。

 中国は海軍創設65周年を祝し、今月下旬、山東省青島で各国海軍トップを招待してシンポジウムを開催するのに合わせ、現地で国際観艦式を挙行する予定だ。

 シンポジウムには河野克俊海上幕僚長が招かれ出席する。だが、海自艦船への観艦式招待状は中国海軍が初実施した前回2009年の国際観艦式に続き、今回も送付されず、日本側がシンポ準備会合で、「国際行事に招待しないのは非礼だ」と反発していた。

 中国側は前回、海自艦船を招かない理由について、中国国内の反日感情に考慮したと説明し、日本側も了承していたという。このため米国も艦船を送っている。

 今回は、習近平国家主席が欧州歴訪で反日宣伝を繰り広げ、公船による尖閣諸島周辺の領海侵犯も常態化している状況下である。海自への招待拒否は、「日本外し」という色彩が極めて強い。

米政府はそうした事情を踏まえて、シンポジウムには代表団を参加させる一方、艦船の派遣は中国への牽制(けんせい)も意図して見送った。

 同盟の原点に立った今回の決定は非常に重く、中国だけでなく他の諸国にも日米の紐帯(ちゅうたい)の強さを示す効果をもたらすだろう。

 日米関係は安倍晋三首相の靖国神社参拝の後、すきま風も吹いたが、日米韓首脳会談で連携強化を確認し改善に向かっている。米中首脳会談ではオバマ大統領が習氏に面と向かい、「日本の安全保障の確保を支援する」と述べた。

 安保、政治両面での後押しを受け、日本側にはなすべきことが数多くある。当面の課題は、自衛隊と米軍の役割と協力のあり方を定めた日米防衛協力の指針(ガイドライン)の再改定だ。それに実効性を与えるためにも、集団的自衛権行使の容認が急がれる。

 同盟関係は双方の呼吸が合ってこそ、機能するのである。

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