The US-China Leader Summit: Calling for Responsible Superpowers

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世界1位、2位の経済大国である米国と中国が対話を深め、協調関係を築いていくことはアジア太平洋地域の安定に欠かせない。

 だが昨年11月以来となった今回の米中首脳会談は、そうした期待に応えるものとはならなかった。経済や温暖化対策で連携を確認したものの、南シナ海問題や人権問題など多くの対立分野で主張は平行線をたどったからだ。

 両国の立場の違いがあらためて浮き彫りになった形だが、決定的な対立を避けたいのは双方とも同じだろう。粘り強く対話を続け、とりわけ中国には大国としての責任ある行動を示してもらいたい。

 今回の会談は、中国による南シナ海の岩礁埋め立て、施設建設問題が焦点の一つだった。

 南シナ海問題では、オバマ大統領が「重大な懸念」を伝えたが、習近平国家主席は「領有権と合法的で正当な権益を有している」との立場を譲らなかった。だが中国の一方的な行動が周辺諸国に脅威を与え、国際秩序を乱す行為となっているのは事実だろう。

 会談では、南シナ海上空などを念頭に両国軍用機の偶発的衝突を回避する措置で合意した。米政府は中国が「領域」と主張する海域に米軍機や艦船を進入させる方針を表明するなど緊張が高まっている。確実な実行を望みたい。

 米政府が中国発として批判を強めているサイバー攻撃については、企業秘密などの窃盗行為をしないことを確認し、閣僚級の対話を続けることやサイバー犯罪に関する情報提供や捜査で協力することで合意した。

 だが、中国側は攻撃を否定し、自らも「被害者」との立場を崩していない。約束が履行されず、新たな対話が経済制裁回避の時間稼ぎに終わるようなら、国際社会の信頼は遠のくだけだ。

 一方、米中対立が世界に波及しかねない経済分野では協調姿勢が目立ち、習氏は人民元の再切り下げを否定した。温暖化対策でも、米国が国内の火力発電所からの二酸化炭素(CO2)を大幅に削減する規制案をまとめたのを受け、CO2の排出量取引市場を2017年に国レベルで始める方針を示した。これらは会談の数少ない成果だ。

 中国側は今回の習氏の訪米を「信頼醸成と疑念払拭(ふっしょく)の旅」と位置づけた。しかし「覇権を求めない」との言葉とは裏腹に、岩礁の埋め立てを正当化し、急速な軍拡を進める行為が中国への不信を強めている。信頼に足る行動を強く求めたい。

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