A Year of Shutdown: The Actors and Streets Now

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米ニューヨークの劇場街ブロードウェーが昨年3月に閉鎖されて1年が過ぎた。およそ40の劇場が立ち並ぶエリアは人通りがめっきり減った。昼間でさえ薄暗く、一人で出歩くのは少し勇気がいる。

 地元メディアによると、スペイン風邪が流行した1919年に1カ月休演。2001年9月の米中枢同時テロの際には発生から2日後に再開し復興の象徴となった。ほかにも組合のストライキで中止されることはあったが、これほど長期間の閉鎖は初めてだ。

 現時点で5月末までの閉鎖が決定しているが、再開日は9月上旬のレーバーデー(労働者の日)明け以降になると予想されている。ブロードウェー関係者は「チケット収入が主な収益源。収容定員を制限するのは難しい」とし、ワクチン接種が広く行き届くまでは再開しない方向で議論されているという。

 劇場が閉まり、若い役者やダンサーらの生活は一段と厳しくなった。仕事がなくなりニューヨークを離れる人が増えているが、俳優のベン・ボーゲンさん(27)は「ニューヨークに残れば、まだチャンスはある」と話し、失業保険のほか、洋服店でのアルバイト、保険会社の受付などで生活費を稼ぎながら、再開の日を待っている。

 ボーゲンさんは「生活は大変」というが、前向きだ。新型コロナウイルス禍で始めたビデオ会議アプリ「ズーム」でダンスや演劇を教える仕事が好評といい、「画面に映る人の笑顔を見ると、自分には、誰かの気持ちを明るくする力があると思い出させてくれる。皆今こそエンターテインメントを欲していると思う」と話す。

 レストラン業界もニューヨーク市内だけで約5千軒が閉店したとされ、コロナ禍で大打撃を受けた。ただ、多くの店は、店内飲食が禁止され、屋外飲食、配達、持ち帰りなどのビジネスを新たに始め、「店内飲食が百パーセント元に戻れば、以前よりもさらに良くなる」(レストランオーナー)との声も。あちこちの道路にせり出した屋外飲食用の小屋は、今後も営業が許可されることになった。

 ニューヨークはコロナ禍の1年で多くのものを失ったが、ピンチでも現状に立ち止まらず、新たな風景が生まれている。

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