Shinzo Abe Has Transformed the Japan-US Security Treaty into a Military Alliance

Edited by Gillian Palmer

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国内に駐留する米兵の犯罪も後を絶たない。首相の“身びいき”にも呆れるが、当時から憲法を無視して集団的自衛権の行使を認めていれば、日本の自衛隊も米軍と一体になってベトナムと戦っていたのだろう。

倍首相が閣議決定した集団的自衛権の行使容認は、首相の祖父・岸信介が結んだ日米安保条約を変質、悪化させるものだ。国民投票という正式な手続きを踏まない解釈改憲という姑息な手法も問題だが、対米従属条約の改悪も許し難い暴挙である。

 日米安保条約は、日本の主権回復後も米軍が日本に駐留することを認めたものだ。占領軍は主権回復後に撤退するはずだったが、米軍は占領状態を解かずに残った。それを正当化するための取り決めが、日米安保条約だったのである。

 これによって日本は米軍に広大な基地を提供する代わりに、日本は米軍に守ってもらうことになった。安倍首相は1日の会見で、安保条約について「抑止力として、長年にわたって日本とこの地域の平和に大きく貢献してきた」と評価していたが、日米安保のためにベトナム戦争では沖縄から多くの米軍機が出撃している。

 安倍首相の閣議決定で日米関係は劇的に変化する。日米安保条約は、日米軍事同盟となるわけだ。

 米軍が日本を守るだけではない。日本も米軍と一緒に他国で武力行使に乗り出す。それが可能な態勢を整えることが、日本の平和に寄与するのだ、と。それが安倍首相の言い分である。

 確かに極東アジアの情勢は変化してきた。中国の覇権主義は無視できないし、北朝鮮はミサイル発射を繰り返している。ただ、日本の周辺で、さしあたり集団的自衛権の行使が必要な事態は存在していない。仮に尖閣諸島の周辺で有事となれば、それは個別的自衛権の問題である。北朝鮮のミサイルもそう。集団的自衛権ウンヌンの話ではない。

何よりも、安倍首相が本気で極東アジア地域の緊張を緩和したいのなら、まずは外交で努力を尽くすべきだ。中韓両国とまともな対話もできない状態を放置しながら、米国との軍事同盟で威嚇する。これが日本周辺の緊張を解き、地域に本当の平和をもたらすというのだろうか。

 対話の努力もせずに軍事力を前面に出す姿勢は、世界にも理解されないだろう。

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