オスプレイ部品落下 全機種の飛行を停止せよ
6月以降、普天間飛行場所属機の事故が立て続けに起きている。12日には垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが重さ約1・8キロのパネルと、フェアリングと呼ばれる覆いを落下させた。
事故原因が解明されず落下した部品も見つかっていないにもかかわらず、米軍は事故後もオスプレイの飛行を続けている。米軍は安全管理、再発防止どころか、最も基本的事項である事故の迅速な通報すらできない。
国民を守るはずの日本政府は、米軍に安全を徹底させることができない。県民の命と財産を守るため、オスプレイを含む在沖米軍基地の全機種と外来機の即時飛行停止と訓練の中止を強く求める。
オスプレイは12日午後9時半ごろ米軍キャンプ・シュワブとキャンプ・ハンセンなどにまたがる「中部訓練場」と同飛行場の間を飛行中、パネルと覆いを落下させた。しかし通報は事故発生から1日近くたった13日夕方だった。
13日は、2004年に発生した沖縄国際大への米軍ヘリ墜落事故からちょうど17年に当たる。改めてこの飛行場の危険性を見せつけた。
オスプレイに限らず、普天間所属機のトラブルが続いている。6月2日にうるま市津堅島でUH1Yヘリが不時着し、7月13日には渡名喜島沖でCH53E大型輸送ヘリが軍事用コンテナを落下させた。7月27日には、普天間飛行場に向かっていたAH1Z攻撃ヘリが、宮崎県串間市の農地に不時着した。
強硬派の米国防長官として知られたラムズフェルド氏は03年、普天間飛行場を上空から視察した際に「世界で一番危険な米軍施設」と発言したとされる。日本政府は仲井真弘多元知事時代に普天間飛行場の「5年内の運用停止」を約束した。だが、19年2月の期限を過ぎても同飛行場の使用は続いている。
県民との約束を守らず危険を放置する。政治の不作為だ。不時着や部品落下が頻発する欠陥機と老朽機を抱えた飛行場を直ちに閉鎖すべきだ。
日本政府が米軍に強い態度を示せないのは、安倍前政権から続く米軍との一体化路線と無関係ではないだろう。
菅義偉首相が就任後初めて臨んだ15日の全国戦没者追悼式の式辞に「積極的平和主義」を明記した。憲法に抵触する集団的自衛権の行使を可能にした安倍晋三前首相の式辞を踏襲している。安倍、菅両氏の言う「積極的平和主義」とは、専守防衛の方針を転換して敵基地攻撃能力を保有するなど、米軍と共に戦争ができる国になることなのか。
普天間から飛び立った所属機が墜落したり、部品を落下させたりする。県民の命と財産を危険にさらしながら、「積極的平和主義」を振りかざす。
菅首相に問いたい。「積極的平和主義」とは、沖縄県民の過重負担を前提にしているのですか。「県民に寄り添う」とはどういう意味ですか。
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